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久保田涼子のブログ。自転車の旅日記もあります。

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熊野古道の旅のブログ

熊野古道記録最終日 那智。統括 

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5日間の旅も、今日の那智山で終わり。
新宮から朝一番のバスに乗り、那智駅で乗り変えて、山へ向かいます。

朝八時過ぎ。那智の滝前に到着。
予想通り、高くて大きい!
土曜日なのに、人も少なくていい感じ。

滝の近くでは白装束をきたおじさんにカメラのシャッター押しを頼まれました。
お返しに、と私のカメラを指さすのでお言葉に甘えて撮影していただきました。
普段、自分撮りがなかなかできないので貴重な一枚。

おじさんは、その後、滝に向かって般若心経を唱えながら法具を鳴らしていました。
曇天と滝と白装束が絵になっていて、見とれているとだんだん私もトランス状態に(笑)
いかんいかん。

その後、広い境内をぐるりと一周。
写真右側にある杉の木の中を、お願い事を書いた木札を持ってくぐったり、18日はたまたま、おたきあげの日だったらしく、宮司さんや巫女さんたちの神事を見たりしました。

帰りは表参道と大門坂を歩いて下って、10時18分の勝浦駅行きのバスに乗りました。
勝浦駅ではマグロ丼のお店でミックス丼を食べて、店長さんと会話。

「那智行ってきたんなら、これ着たんか?案外これ目的の人多いけど。」
「あー!!この格好!」

今までもやもやしていた謎が解明!
事前情報で仕入れていた「平安時代の衣装を着て熊野古道を歩こう企画」は、私が歩いてきた過酷な熊野古道全てを歩くことではなかったらしい。
なんだ。ここなら歩けるわ。


11時56分のJRで帰路につきます。
海沿いを2時間揺られ、白浜駅経由、バスに乗り変え南紀白浜空港へ。

持ちこたえていた雨が降り出しました。


今回初めて熊野三社を巡って、昔の日本人って背が低かったんだよなー。とか、この道をみんなぞろぞろ歩いていたんだなー。とか、肌で感じて、今、私たちはこの時間軸に生きているんだけども、住んでいる土地も故郷とよべる場所も、その時代に生きていた、私たちと同じようなひとたちが作り上げていて、それは決して絵空事ではなく、本当にあったことで、受け継いで受け継いで、今の私たちがあるんだなーと、感じました。

神様も仏様もみんな受け入れ、自然の中にも尊いものを見出す信仰に、日本人のおおらかさや懐の深さも感じました。

このすばらしい文化、自然、心は残していかないといけない。次世代のことを考えて生きなくてはいけない。

今、この時期だからこそ、より強く思います。

来週は東北ボランティアです。頑張ってきます!

熊野古道の旅 | 2011.06.18 ( Saturday ) 07:12 PM

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マグロの町、紀伊勝浦でミックス丼 

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那智からバスで紀伊勝浦駅まで移動。
雨が降り出す前に全部見れてよかった。
駅前のマグロ丼の店、山賀さんでミックス丼を食べました。

これからローカル線で白浜駅まで戻り、飛行機で東京に帰ります。

駅に海抜2.2m表記と、地震時の避難方法が書いてあって、ドキドキ。
ここもリアス式海岸なんですね。
神社でも、笛付き地震お守りストラップが売れていたなぁ。

窓から見える海は、きれいで穏やかです。

熊野古道の旅 | 2011.06.18 ( Saturday ) 11:53 AM

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那智滝 

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写真では伝わりにくいけど、でかいです!

熊野古道の旅 | 2011.06.18 ( Saturday ) 08:25 AM

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熊野古道記録 3 日目 不思議なおじいさん 

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本日のルートは大斎原〜神倉神社〜熊野速玉神社。
お天気はしとしと雨。

朝八時に宿を出て、旧社地の大斎原へ向かいます。
明治の大洪水前には、川を挟んだこの場所にお社があったそうです。
参拝者は川を渡って禊ぎをしてから参拝したのだとか。

今は黒い大鳥居がででーんと立っていて、跡地は緑地。
祠が静かにあるだけです。
この場所は遠くからみると子宮の形に見えるらしい。

雨露に濡れた緑地をひとり歩いていると、あたたかくて、やわらかくて、すっとした気持ちになりました。

神社とかお寺って、本当は御利益云々のために詣る場所じゃなくて、日常の隣にあり、時々こうして自分をリセットしに行くくらいのポジションでいいんじゃないかな。
おみくじやお守りグッズなんていらないんじゃないかな。
そう思えるような場所でした。

その後、バスに揺られて一時間。新宮方面へ。
一旦ホテルに荷物を預けて、山の中腹に立っている神倉神社へ行きました。
この神倉神社は神様がはじめに降り立った場所といわれるゴトビキ岩があります。
そこまで行くためには、断崖絶壁と言ってもいいくらいの石階段を数百段のぼっていかなくてはいけません。
昨日までの過酷な山越えで足はパンパン、そして雨なので滑りやすく、かなり怖かったです。ロッククライミング状態。

境内には、おじいさんがひとりいて、お供え物の榊と菊の花を取り替えていました。
ザックを背負っていない私を地元民だと思いこみ、ここに来るのは何回目かと聞いてきたので、初めてだ。と答えると

「仕事はコンピューター関係か。」

断言。

「・・・。なんでわかったんですか。」
「わかるから、わかるんや(笑)」

なんなんだ。この人は。

「そうだ。写真あげるわ。」
そう言って取り出したのはこのお社の周りにある桜が満開時の写真。
「わー、春もきれいなんですねー。」
「こっちの桜は台風でダメになってしもうたけどな。」
「へー!」
話を聞いていると、どうやら、このおじいさんは、神社詣りの常連さんらしい。
新聞記事に掲載された自分のコラムも見せてくださった。

「この上の岩と岩の間にもな、ご神体があるからのぼってみたらいいよ。」
「え、ここってのぼって大丈夫なんですか?」
「大丈夫や。」

皆が歩く道からはずれ、平たい大きな岩をはいつくばりながらよじ登る私。
なにやってんだ。トレジャーハンターか。
写真はのぼりきった先にあった神域です。わかるかな。

下りはおじいさんに先導されてゆっくりおりました。
「今通ってきた道は昔の道や。」
よく見たら、なんとなく先ほどの場所に続く道が石と石の間に見えた気が。
歴史物ってすごいなぁ。


神倉神社の後は、熊野速玉神社へ向かい、有名なお菓子屋さんでベビーカステラのようなものを買ってからホテルへ戻りました。

明日は最終日。
那智で締めくくりです。

熊野古道の旅 | 2011.06.18 ( Saturday ) 12:35 AM

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大斎原(O-Yunohara) 

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朝一番で訪れた旧社地 大斎原。
あたたかくて、気持ちがすっとして壮大な感じ。
誰もいない敷地内。なんか、すごかった。

これからバスに揺られて新宮へ。

熊野古道の旅 | 2011.06.17 ( Friday ) 08:51 AM

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熊野古道記録 2 日目 雨 

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峠を越える度、この漢字を作ったひとは天才だなーと思ってしまう。

こんばんは。
昨夜は虫たちと格闘し、あまり熟睡出来なかった久保田です。
梅雨時期のバンガローは危険が一杯。
お泊まりの方は、ダニやムカデやアリさんにお気をつけください。
今度から自前寝袋を持って歩こうと思います。

さて、本日のルートは近露王子〜熊野本宮大社〜湯の峰温泉。
近露〜本宮まで山道八時間コースです。
朝から歩き終わるまで雨ザンザン。
もうとにかく、立ち止まったら寒いので、ひたすら歩くしかない状態。
近露王子〜発心門王子までは峠の連続でした。
屋根のある休憩場所も少なく、木陰で急いでパンを食べたら、喉をつまらせて死にかけたり。

そんなひとりドタバタ劇を展開して歩いていると、山中ではじめて旅人と遭遇。
北海道のおじさま。
なんと、元お遍路さん。
しばらく一緒に歩きました。
別れ際に、白い恋人と六花亭のチョコレートをくださいました。
北海道名物。ありがたかったです。

14時半。雨本降りの中、熊野本宮大社に到着。
「日本の現状がよくなりますように」と手をあわせました。
境内には、八咫烏という三本足のカラスがのっている真っ黒いポストが置いてありました。
この八咫烏は、サッカー日本代表選手のユニフォームにも書かれてあるんですよ。

お詣り後は、大社隣の世界遺産センターで情報収集。
15時5分発の湯の峰温泉行きのバスに乗って、最終の17時5分で帰ってくれば温泉に入れるよ、と観光協会のお姉さんに教えてもらい、ずぶ濡れのまま停留所へ。
バスは貸切状態で、運転手さんと楽しく会話をしながら向かいました。

湯の峰温泉では、シャンプーも石鹸もNGの薬湯につかりました。
地元の方や県外からきた方とのんびり話して、長風呂。
足の痛みも寒さも軽減されたかな。

帰りのバスも乗客は私だけで、話過ぎてバス停を通り過ぎてしまう運転手さん(笑)フレンドリーだなー。

この日の宿は、蒼空げすとはうすさん。一泊朝食付き7000円。
とっても綺麗な施設で、インターネットもあって、安心して就寝しました。

明日は速玉神社へ!

熊野古道の旅 | 2011.06.16 ( Thursday ) 10:44 PM

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熊野古道記録 1 日目 山をナメたらいけません 

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静かな山の中を無心に歩くのは、台所で野菜を黙々と切っている心情と似ています。

本日のルートは紀伊田辺駅〜滝尻王子〜高原霧の里〜近露王子。

朝6時50分発のバスに乗り、駅から滝尻のバス停まで向かいます。
約40分。

無料の杖貸し出しコーナーで竹杖を選び、いざ出発。
事前の情報収集で「平安時代の格好をして山を歩こう!」という企画ものを見たせいか、そこまで険しい山道じゃないはず、と高をくくっていたら、大間違い。
急な登り坂のオンパレード。
おまけに、名物の胎内くぐりという岩をくぐったあとに、道を間違えてしまうという失態も。
序盤から体力も気力も消耗。

いかん、ナメていた。
これは、本格的な登山だ。

9時半、昔旅籠だったお家が軒を連ねる高原霧の里に到着。
休憩所から見える世界は絶景でした。
休んでいると、ご近所のおじちゃんおばちゃんがわらわらやってきて
「どこから歩いて来たんや。ひとりか?」と。
「滝尻からきました。」

「「「滝尻!!!」」」

地元の方も知る大変なルートだったようです。
「これからは楽なはずやで。」という言葉通り、その後、目的地の近露王子までは歩きやすい道が続いていました。

途中、道の駅に立ち寄り、名物のめはり寿司やこんにゃくいなりが入っているパックを買ってランチ。
どこにいっても道の駅は旅人にとってオアシス的存在です。

13時半、結局山道で誰とも会うことなく、近露王子に到着。
橋を渡る直前に「水垢離」という文字が目に入りました。
昔は川を渡って身を清めてからお詣りにいったそうです。
橋の近くには無料の足湯を発見。
私はここで湯垢離!と手際よく靴と靴下を脱いでザップリ足をつけました。
とろっとした温泉で気持ち良かったです。

今夜の宿はアイリスパーク。
一泊素泊まり4150円(二人以上だと3650円※どちらも入湯代150円込)。
お客は私一人。
この施設にも女神の湯という温泉があります。


天気予報では、明日は午後から雨の様子。
無事山を越えれますように。

熊野古道の旅 | 2011.06.15 ( Wednesday ) 12:14 AM

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熊野古道記録 0 日目 紀伊田辺と東北のご縁 

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17時半、羽田。
ターミナルからバスで南紀白浜行きの飛行機搭乗口まで移動。
2席×2の、中くらいの飛行機。
平日だからか、空席が目立ちました。
登山ザックを持っているのは私くらい。
ザックは深夜バスが似合うな、と思いながら窓の外をぼーっと見ていると、ちょうど夕日が沈むところで空が茜色に染まっていました。

一時間後、南紀白浜空港に到着。
そこからバスで一時間かけて紀伊田辺駅まで向かいます。
乗客は、私とサラリーマンのお兄さんの二人だけ。

この日の宿は、駅から徒歩5分の場所にあるゲストハウスてんつくさん。
一泊素泊まり2900円。
お遍路宿のような雰囲気で、スタッフのひとたちが家族のようなあたたかさで迎えてくださいました。

このゲストハウスでは、思いがけず東北ボランティアを本格的にされている方の話や、祝島のドキュメンタリー映画の監督さんが宿泊された話などを聞くことが出来ました。
スタッフの南さんはミュージシャンだそうで、音楽話でも盛り上がりました。

数時間後、すっかりその場に溶け込んだ私と、南さんと、女性スタッフさんの三人でDVD鑑賞。

次の日は早いから早く寝ようと計画していたことも忘れ、最後まで見てしまった「東京原発」は、2004年に公開された役所広司さんが主役の映画。
原発についてとてもわかりやすくまとめてあり、現状を予知していたのかと思うような脚本でした。
事故がなければ、こんな風に興味をもったり、出てくる言葉全てを理解出来たりしなかったんだろうな。
なんだか皮肉な話です。


0時過ぎ、就寝。

自分がアンテナを張っていた情報の詳細がタイムリーに手に入ったことには、なにかしら意味があるのかもしれない。
寝る瞬間に、ゲストハウスの居間に飾られていた「動けば変わる」という文字が頭をよぎりました。

熊野古道の旅 | 2011.06.14 ( Tuesday ) 11:09 PM

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熊野古道記録前書き 

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こんにちは。
さすらいの旅人、久保田涼子です。

これから数日間、熊野古道の旅日記をつけようと思います。
先日訪れた、東北についても書きたいことが沢山ありますが、こちらは、もう少し心が落ち着いてから・・・。


今年の夏旅候補は、熊野、高千穂、恐山でした。
その中で熊野を最終的に選んだ理由は、たまたま書店に行ったら良い旅本と巡りあえたから。
そこに「熊野は死者が寄り来るところ、還ってくる場所」と書かれてあったから。

候補地三つを比較して選ぶなら、2011年は熊野だろうな。と思いました。

今回、私が歩くのは、中辺路(なかへち)と呼ばれる紀伊田辺から熊野三山に向けて歩く王道ルートです。
熊野本宮大社までは、歩いて二日かかります。

熊野古道と呼ばれる道はその他に4つあり、そのほとんどが世界遺産に登録されています。

熊野に興味がある人、これから行こうと思っている人にも、有益な情報提供が出来るよう、しっかりレポートしていこうと思います。

熊野古道の旅 | 2011.06.13 ( Monday ) 05:10 PM

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