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久保田涼子のブログ。自転車の旅日記もあります。
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久保田涼子のブログ。自転車の旅日記もあります。
大銀杏からお寺まで、もうすぐだと思いきや、まだまだあった。。
こんな山の中にも集落はある。
緑の間に、人工物の屋根が見えたら落ち着く自分がいる。
とある村で、逆打ちしているバックパッカーのおじいさんと出会った。秋田から来て、三度目のお遍路だという。
道にもたれかかって高知のオカマ話(おじいさんは、「自分の女装をみたくないか?」と問われたらしい(笑))や安宿話に花を咲かせ、流れは「信仰」の話へ。
宗教と信仰を結びつけて頭を悩ます私に、目が覚めるような一言。
「僕は、家の前に生えている大木を見て信仰するというのも立派なひとつのあり方だと思います。それと同じような気持ちでまわっていけばいいんじゃないでしょうか。」
真言宗だから、浄土真宗だから、キリスト教だから、無宗教だから、は関係ない。
宗派を超えたなにかがここにはありそうだ。
山を更に越えて、ついに参道到着。
小雨が降り始めて幻想的な雰囲気。
心が晴れ晴れとしていたせいか、全てが気持ちよかった。
今夜泊まる予定の善根宿、すだち館まで下山。
自分の高慢だった行いを責め、弘法大師を追って四国を何十週もまわり、力尽きる直前に会うことが出来た元豪商の、墓標の杖が立派な木になったという有名な場所が、下山途中にあった。自分の杖を木に立てかけてみる。
太いなー。
山の途中にある里に到着。
すだち館のお父さんお母さんは、ホスピタリティ溢れる人。
手作りの夜ご飯は美味しかったし、けんちゃんという雑種犬もかわいらしい!
関西から来ていた男の子2人と、お父さんお母さん交えて食事。
「ホタルみたことあるか?今夜連れてったるわ。」
お父さんの一言で、食卓がさらに盛り上がる。
夜、車で20分の河辺に。
生まれて初めて沢山ホタルが舞う風景を見た。
この日を、私はきっと忘れないと思う。
絶対忘れないと思う。
お遍路の旅 | 2010.06.01 ( Tuesday ) 04:53 AM
三日目のお遍路は丸一日山籠もり。
「修行」という言葉がぴったりな日で、「信仰」について考える機会を沢山持った日でした。
本日の工程は、11番札所藤井寺横から「遍路ころがし」と呼ばれる山道を通り、標高700mの12番札所焼山寺へ。
歩きお遍路最初の難関と言われる場所です。
・・・その前に、昨日の80才のおじいちゃんのその後。
善意で泊めてくださって、お洗濯もしてくださって、お風呂も沸かしてくださって、本当に本当に感謝しているのですが、いい人なのですが!
「酒癖の悪さ」だけが難点だった!!
久々に、孫みたいな女子が来て、嬉しいのはわかりますよ。
ただ、度が過ぎてバーのお姉ちゃん対応を求めはじめた時は「亡くなったお母さんが見とるんじゃけぇ、やめんさいよ。」と思わず言ってしまいました。
お接待をされすぎも、考えものです。
逆にこちらが気を使うし(相手が純粋な気持ちで行動していると分かるから余計に。)ゆっくりひとりの時間がとれない。早く寝れない。
なにが悪いわけではないのですが、経験として、これから人のお家に呼ばれたときは考えようと思いました。
でも、感謝します。
一生懸命もてなしてくれて、ありがとうおじいちゃん。
※ちなみに、本来泊まる予定だった11番近くの善根宿「鴨の湯」は温泉つきで、お遍路さんは無料。
男女セパレートなので女性にもオススメ。
さて、おじいちゃん家から、11番札所まで戻ったタクシー代が、なかなかの出費。
着いた瞬間、歩いている人に「姉ちゃんズルしたんかー?」と問われ(実際は昨日、歩いて打ち終えていたからズルはしてないぞ。)それらの出来事に不満を抱く自身の小さな心にイライラ。
山への歩きはじめは、マイナスな気持ちからスタートでした。
歩いている間に、この三日間で出会ったひとたちの意味まで考え始めたら止まりません。
「もし、これらの出逢いが必然的なものなら、そこからなにを学べばいいのだろうか。」とか、
「そもそも、中高キリスト教系の学校だった私が、こんな格好をして般若心経を唱えていいのだろうか。」とか、グルグル疑問符がまわります。
その気持ちを見越したかのように、一日目に仲良くなったうどん屋のおかみさんから「今日頑張ってね」メールと電話。
彼女は、四国の歴史を研究されていて、以下のような言葉を下さいました。
「四国は日本のルーツが沢山詰まっている場所。ここから、全国に散らばっていったという話もあるから、ここに来る人たちはみんな、ご先祖さんが「還りたい」思うて呼ばれたんかもわからん。一杯おるよ。『なんでかわからんけど来た』ゆう若者は。宗教は関係あらへん。」
・・・山の中は、一人。
シーズンオフということもあり、同じお遍路さんを見かけたのは登山口付近のみで、あとの七時間は、山の声と、自分の杖の鈴の音と呼吸しか聞こえません。
空海さんが通ったまま残されているという道は、なかなかに険しい。後半戦は特に「まだ登りか。。」と弱音を吐きたくなるくらい。
足下悪くゴツゴツした細い道を、ゼイゼイいいながら登りきり、「着いた?!」と思って顔をあげると、階段の上に大木を背にした弘法大師像が。
この角度からだと、見下ろされている感じ。
「ずるいわ・・・。お大師さん。。」と思わず言葉が漏れました。
苦難の果てに見たそれは、信仰心を自然と沸き立たせるものでした。
と、掃除しているおじさんを発見!
ベンチも発見。
しばらく休もう。
おじさんからハッサクをいただいて、色々話す。
別れ際に「あんたは、自分のために歩いとんやろ?」と、問われる。
「今は、正直よくわからん。誰のためになんのために歩いとんじゃろうね。」と、答える。
山道に戻ると鐘の音が聞こえた。
もうすぐ到着か。
後半に続く。
お遍路の旅 | 2010.06.01 ( Tuesday ) 03:54 AM
お遍路をしていると、すれ違う人と話して情報を得る機会が沢山ある。
泊まる宿には、先輩お遍路さんが書きこんだ実践メモ書き地図もあり、読むだけで楽しい。
以下、歩きお遍路さん用メモ書き。
・善根宿というお遍路さん用の安宿が各地にある。値段は0円〜。
3000円で朝晩食事付きというところも。
この善根宿、ネットワークでつながっていて一枚の用紙にまとまっています。
私は越久田屋さんで手に入れました。
へんろみち保存協力会が出している、歩きお遍路地図に書いていないところたくさん。
ただし、女性の場合、男女セパレート方の善根宿がお勧め。
良いところ、悪いところ、有りです。
※今日泊まっている12番札所近くのすだち館はかなり良い!
・マメ対策
山に入るときは、靴下は二枚履き。
タビ型よりは五本指ソックスが良いみたい。
その上に登山用の厚手のソックスを履く。
マメは出来そうだと思ったらはやめにテーピングする。
お遍路指南のおじさん曰わく、「マメは出来たら最後、悪くはなるけど、絶対治らんからな。」だ、そう。
・リュックの背負い方
道中、さんざん色んな人から直されました(笑)
身体と並行に、軽いものから下に入れ、位置はおしりより必ず上。
肩と胸と腰とで支えるようにする。
頭陀袋を下げている場合は、その上から腰回りのベルトをとめると固定されて歩きやすい。
・一日に歩ける距離
人によって違うとはいいますが平均20キロ強かも。
大体同じくらいのペースで皆さんまわられていたので(宿が一緒だった人とバッタリが三日間続いています。)泊まる宿のおかみさんなどに、「皆さん平均して何番札所くらいまで次の日行かれてますか?」と聞けば目安がわかると思います。
・オカマ注意
高知、香川県で野宿をしている男性が被害にあったケース複数有り。
地図に
「オカマ注意!
どんだけ〜」
と赤字で書いてありました。
実際にあわれたの方の話も聞きましたよ。
・吉野川注意
私は「ないだろう!」と笑ったけど、潜水橋は欄干なし、狭く直進なので、車が猛スピードで通過してくることがあるとか。
それを端でよけようとしたお遍路さんが、風圧とリュックの重さも手伝って川に落ちてしまったらしい。
他、お遍路中恋が生まれた話とか、それを聞いて毎年1〜17札所をまわって婚活している女性がいるとか。(はじめの札所での恋が多いみたい。)四国のホームレスの人たちは、歩きながらお接待を受けて健康的に?生活しているとか。
これから札所を進んでいくと、またどんどん話を聞くんだろうな〜。
お遍路の旅 | 2010.05.31 ( Monday ) 07:07 PM
人の足ってすごいですねー。一日歩くとかなりの距離を移動出来ます。
さて、二日目ダイジェスト。
今日も、不思議な出来事満載。
これが「お大師さんの導き」なら、本当に、本当に、えらいことだ(笑)
なんて土地だ。四国。
■朝7時◎七番札所十楽寺
七番札所まで越久田屋さんに送ってもらう。
今日も気持ちいい天気。足の痛みはまったくなく、意気揚々とスタート
■八番札所熊谷寺
昨日訪れた御所の郷の横を通り、熊谷寺へ。ご詠歌がスピーカーから朗々と流れる緑に囲まれたお寺。
御朱印をいただき、ベンチで休んでいたら、さっき別れた越久田屋さんがお客さんを乗せてやって来た(笑)
去り際に、小さいテディベアの御守りを下さる。
■九番札所法輪寺
お寺を出ようとしたらおじいちゃんに手招きされる。
「リュックはこうせないかん。」
と、手取り足取りリュックの背負い方指南。
■十番札所切幡寺
333段の階段があるお寺。近くの須美光栄堂さんにリュックを預けて、身軽な身体で登る。
帰り際に、気づいたらテディベア紛失・・・。
越久田屋さんごめんなさい。
■十番〜十一番途中
うどん亭でご飯を食べていたら80才のおじいちゃんと仲良くなる。
「家泊まりな。」と言ってくれ、本日の宿決定。
十一番さんまで行く途中、吉野川にかかっている潜水橋(集中豪雨になると沈む橋)を渡る。
渡りきったところに、ボランティアでお遍路指南をしているおじさんと会う。
明日の情報や足のマメ対策方法を教えてもらう。
■十一番札所藤井寺
長い道のりも終わり、今日の最終目的地点、藤井寺着。
16時半に、駅で宿泊先のおじいちゃんと待ち合わせだったので、そこまでのアクセスをどうしようかと考えていたら、たまたま仲良くなったお遍路のおじさんが、おまいりの後にタクシーで駅まで行くとのこと。
なんというタイミング!
便乗させてもらう。
■夜
駅で待ち合わせたおじいちゃんと合流して、料亭でお腹一杯ご飯を食べさせてもらう。
亡くなった奥さんの話を聞いていたら、いつのまにか涙が止まらなくなっていた。
奥さんが引き合わせてくれたんだな、きっと。
お家に着いたら、覚え立ての般若心経を僭越ながらあげさせていただいた。
明日は「遍路ころがし」と言われる難所。十二番札所焼山寺へ。
重い荷物を持って、無事たどり着けるか。
頑張ってきます。
お遍路の旅 | 2010.05.30 ( Sunday ) 09:31 PM
徳島は発心の道場。
お遍路一日目は、爽やかな気候と青空のもと、なにかに導かれるように、楽しく終えることができました。
■朝
昨晩お世話になった大学の友達のお母さんが、一番札所まで車で送ってくれる。
お遍路スタート。
■一番札所霊山寺
頭で覚えたお参り作法を初めて実践。
私のように、右も左もわからない人があちこちに見られ、それを教えるお寺の人多数。
教えてもらい、叩きあげの新米遍路完成。
次の札所へ
■二番札所極楽寺
開けた広いお寺。
弘法大師手植えという樹齢千年の杉がすごいパワー。
おじいさんに手を引かれておまいりする遍路姿の男の子が可愛らしい。
■二番〜三番途中
民家から「お接待させてください。」と、おばちゃんが出てくる。(びっくりした。)
手には缶ジュース数種類と手作りの巾着が入った箱。
お茶と青色の巾着をいただき、お礼を言って去る。
■三番札所 金泉寺
三番に入る直前の遍路道が雰囲気抜群!
田んぼのあぜ道の向こう側に、木々に守られるようにお堂が。歩きにしかわからない秘密の抜け道。
お寺内で、お接待に来ていたおばあちゃん仲間三人から手作りのアクセサリーを頂く。
ちょうど、杖に自分の印をつけたかったので(杖置き場で同じような杖があったりして間違えそうだった。)ありがたく頂戴して取り付ける。
足のマメ対策で、靴下を脱いで休んでいるとお遍路おじいちゃんに声をかけられる。11番札所に無料で入れて泊まれる温泉情報をゲット。
ついでに、「歩きにこだわらないなら車で一緒に連れていってあげるよ。」とお誘いを受けたのだけど、歩きたいからと、丁重にお断りする。
■三番〜四番途中
昔ながらの歩き遍路の道を通る。空、道、草、花、なにもかもが素朴であたたかくてよい!
山を抜けたところに、「萌月」さんという、うどん屋を発見。
呼ばれたようにおかみさんが入り口に出てきて目が合い、入る。
ぶっかけうどんを食べながら、先客のお遍路さんやおかみさんと話す。
おかみさん、大正琴をするそうで、急遽、歌うことに。
ひとしきり演奏と歌。
コーヒーをサービスで入れてくれたり、枇杷をくれたり、おむすびをにぎってくれたり、宿の紹介をしてくれたり、いい人たちだった。
「自分が幸せでないと、人を幸せになんか出来へん。」
「なにかおこったら、ナムダイシヘンジョウコンゴウって三回唱えたらお大師さんが助けてくれるから。」
おかみさんのこの言葉が忘れられません。
気づいたら、二時間くらいそこにいて、慌てて四番さんへいそぐ。
■四番札所大日寺
放し飼いの雑種犬が出迎えてくれた。
■五百羅漢
羅漢さんが沢山いた。
■五番札所地蔵寺
樹齢800年以上のたらちねイチョウがいい味出している。
足が疲れ始める。
■五番〜六番途中
3度目という歩きお遍路の集団さんから今夜の宿情報を得る。
スーパーから出てきたおばあちゃんに呼び止められお接待を受ける。
「ナムダイシヘンジョウコンゴウ」と手をあわせて拝まれたとき、この信仰を生んだお大師さんはすごいなー。と素直に思った。
■六番札所安楽寺
納経時間ギリギリ間に合う。
先ほど出会ったお遍路さん情報の「温泉付きの宿坊」に泊れればと思ったけれど、明日行事があるとかでやんわりお断りされる。
■六番〜七番
六番が今日の最後だと、思っていただけに、疲れがピーク。
はっ!と、うどん屋さんでいただいた名刺を思い出し、紹介された宿に電話。
七番さんが終わったら連絡してくださいとのこと。
七番までには、まだ距離が。。
西日が、、きつい。
本気でヒッチハイクを敢行しようとした矢先、折り返しで「向かいにいきますよー。」電話。
以心伝心!
山門前で大阪からきた若者お遍路三人組と会う。彼らは今日野宿だという。
■夜
今夜の宿は、越久田屋さん。一泊素泊まり4000円。ただ、ご近所にある天然温泉御所の湯に送迎してくれて、温泉代600円がタダ!
親切丁寧だし、談話室で大将から明日のルート指南や、安宿案内を細かく受けました。
身体も心も満足で、
今日は倒れるように終了。
お遍路の旅 | 2010.05.29 ( Saturday ) 11:07 PM
私は今、今朝到着した時と同じベンチに座っている。
徳島駅構内にあるベンチ。
今夜の宿は、大学の時の友だちの実家。
最寄り駅は、鳴門駅。
そう、鳴門といえば、今朝、ここからバスに乗って一時間かけて訪れた場所。
久保田、なにを思ったのか、鳴門駅をスルーし、徳島まで戻ってきてしまったのである。
今夜の宿は、徳島だと、勘違いしていたのである。
それを知った友達はメールで失笑(笑)
まあ、これも旅。
ついでなので駅近くにある眉山に登ってみた。
2006年に映画にもなったこの山は標高約300m。
17時半からは割引されて往復600円になるという情報を、立ち寄ったDOCOMOショップから得(ここでもお接待されました!ありがとう!)ロープウェイで一人山頂へ。
展望台には誰もおらず、貸し切り状態。
暮れゆく徳島市街を見下ろして、ひとしきりたそがれてから下山しました。
これからワンマン列車に乗り、鳴門へ向かいます。
大学のともだちの実家はラーメン屋さんで、閉店時間に間に合わない私のために、実家で一杯分のラーメンを作ってくれるそうな。ありがたいなー。
そうそう!話はかなり巻き戻りますが、昼間の大塚美術館の感想。「もしかしたら未来の美術館の姿かも。」でした。
陶板に名画を写した作品の美術館。色もオリジナルに近く再現され、このままの状態で2000年は保つらしい。
素晴らしい技術なんだけど、個人的には、名画はオリジナルであってこそ、パワーを感じるので、星みっつかな。
所蔵点数はすごいですよ!
今からラーメンを食べて、明日から一番さんスタート!
お遍路の旅 | 2010.05.28 ( Friday ) 08:38 PM
格好はお遍路ですが、今日一日は鳴門観光なので題名を0.5日としました。
朝6時半に徳島に着いてからすぐに、鹿児島のご夫婦に声をかけられ、朝食をファーストフード店で食べていたら、三回お遍路をまわったというお母様に声をかけられ、「ジュース代お接待したる。」と200円頂き、鳴門公園行きのバスを待っていたら七福神のような福耳の赤頭巾を被ったホームレスのおじちゃんに、遍路指南を受け(いい情報を沢山仕入れたー!)今に至ります。
渦潮ぐるぐるじゃなかったけど、展望台は気持ちいい!
これから夢にまで見た大塚美術館です!
お遍路の旅 | 2010.05.28 ( Friday ) 11:31 AM